しつけ

愛犬が喜ぶ散歩のすすめ
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毎日の散歩を楽しみにしている愛犬たち。イキイキと走り回ったり、家の中と違う刺激的な外の風景にわくわくする様子を見せてくれる散歩は、飼い主にとっても楽しいひとときです。犬たちにとって楽しみな散歩の時間がもっと楽しくなる、散歩のコツをご紹介します。

犬にとって散歩は必要なもの?

ほとんどの犬にとって、散歩の時間は待ち遠しく楽しいひとときです。犬がなぜ散歩を好むかの理由については、犬の祖先であるオオカミが持っていた「群れで生活する習性」と「社会性」を受け継ぎ、群れの仲間である飼い主や地域の人間たち、他の犬たちとの交流を楽しみにしているからという説があります。
多くの飼い犬はふだん、室内やケージ内、リードで繋がれた庭先など、限られた環境で過ごしています。そんな中で散歩に出かけると、いつもと違う風景はもちろん、太陽の光やさまざまな音と臭い、ほかの犬との触れあいなど、五感を刺激される出来事に出会えるため、とても楽しいと感じることでしょう。
また、体力のある犬にとって、散歩はエネルギー発散の欠かせない機会でもあります。広々とした空間を走ることでしっかりと運動量を確保し、筋肉を維持することは健康のためにも必要なこと。散歩ができずに運動量が足りなくなってしまうと、肥満につながる可能性や、病気になりやすくなる危険性があります。そして、運動ができないとストレスがたまり、将来的に認知症になる確率も高まってしまいます。
散歩をどれくらい行うべきかは、犬種、体力や年齢、性格などによって変わってきます。一つの目安となるのが、小型犬は1日1回・30分程度、中型犬は1日1〜2回・1時間程度、大型犬は1日2回・2時間程度。そこに、小型犬の中でも運動量が多いテリア種は長めにするなどの調整と、愛犬の調子を考え併せて、飼い主が適量を見極めるとよいでしょう。

散歩は飼い主にとっても大切なひととき

散歩は愛犬にとっての楽しみだけでなく、飼い主にとっても大切なひとときといえるでしょう。愛犬と密なコミュニケーションをとる絶好の機会になるほか、外で楽しく遊びながら健康状態を見ることができ、ストレスが溜まっていそうな場合は発散できるようサポートしてあげられるからです。
また、愛犬と直に触れ合ってたくさんのスキンシップをとることで体調の変化にいち早く気がつくことができ、病気を防ぐことにもつながります。
散歩は、愛犬の健康を管理する上でも、飼い主にとって大切な機会なのです。

散歩をもっと楽しむためのヒント

決まった道を通るばかりでなく、ときにはアレンジをしてみるのも散歩の醍醐味です。いつもとは違うルートを通ることで、周りの風景が変わり出会う顔ぶれも違ってくるので、愛犬にとってよい刺激になります。自然の多いコースや、顔見知りの犬に会えるコース、ハイキングコースなども活用して、バリエーションを増やして楽しみましょう。
また、散歩の合間に公園やドッグランに寄り、一緒に遊ぶ時間を設けるのもおすすめです。おもちゃを用意して遊んだり、ご褒美のおやつを用意しながら新しいことをおぼえさせる訓練をしてみたりするのもよい刺激になります。広いドッグランでは、思いっきり走れるため運動量を確保できることに加えて、他の犬との触れあいも楽しめます。
散歩の時間を、愛犬にとって楽しいことや新しい刺激があるような充実したひとときにしてあげましょう。

散歩の際に注意したいこと

散歩の際に守りたいのは、必ずリードを付けること。ノーリードで散歩するのは法律違反になります。リードは少したるませるくらいの長さにし、飼い主のそばを歩かせるようにするのがポイントです。気をつけたいのは、急にリードを強く引っ張ると犬を傷つけたりショックを与えてしまう可能性があること。そうすると散歩に対して悪いイメージを持ってしまい、楽しいものでなくなってしまいかねません。
また、散歩中は周囲に気を配り、拾い食いをさせないようにしましょう。興味のあるものを口に入れる癖がある愛犬の場合は、特に注意を。煙草の吸い殻やガムなどを間違って食べてしまうと危険です。
自然豊かな場所では、ノミやダニ、蚊などがいることがあります。予め動物病院で予防薬をもらったり、散歩の前に犬用の虫除けスプレーをしたりするとよいでしょう。そして散歩後には、虫が付いていないか身体をケアしてあげましょう。
散歩に出かける喜びや、他の犬に会って気分が高揚した結果、興奮しすぎてしまうこともありますが、それがかえって犬にとってストレスになり、ケガの原因になることも少なくありません。興奮する兆候が見えたら、興味を引くものから離すなどして落ち着かせるようにしましょう。