シニア犬をいつまでも元気で過ごさせるために40
ペットたちの寿命もぐんと延びてきました。人間と同様に、犬もある程度の年齢になったら、食事や体調管理、日々の暮らしかたなどにより気を配ることで、いっそう快適に過ごせるようになります。愛犬との長い将来を見据えて若いうちから知っておいて損のない、シニア犬とのつきあいかたをご紹介します。
シニア犬と呼ばれるのは何歳から?
室内で飼われるケースが増えたこと、そして飼い主による愛犬の健康管理意識が高くなったことなどから、犬がとても長生きできる環境になってきています。
犬種や個体によっても異なるものの、一般的に小型・中型犬は7歳、大型・超大型犬は5歳を過ぎると「シニア犬」のくくりに入るとされます。見た目は昔と変わらずに愛らしく、一見シニア犬とは思えないとしても、今までよりもしっかりと観察したり関わりかたを変えることで、愛犬にとってもより過ごしやすくなるはず。いつまでも健康で長生きをして欲しいと願うならば、年齢を重ねた愛犬には、それにふさわしいケアをしてあげたいものです。
柔らかく消化のよい食事への切り替えを
いつまでも食事を美味しく食べられることは、シニア犬にとって大切なこと。消化機能が衰えたり歯が悪くなったりして若いころのように食べることができなくなっている可能性もあり、配慮が必要です。ドライフードをあまり固くないタイプに変えたり、お湯でふやかして柔らかくすることで、食べやすく消化もしやすくなります。シニア犬向けのフードも出ているのでそれを試したり、消化のよい食材を使った手作りのごはんを作ってみると、よく食べるようになるかもしれません。
フードは、人肌程度に温めると香りが立って食いつきがよくなる場合もあるので、温めるひと手間をかけてあげましょう。ウェットフードはとくに香りが立ちやすいため、主食のドライフードに混ぜて食べやすくしてあげるのもおすすめです。
便の状態を見て、消化しきれていないようだったら、食事の回数を見直すのもひとつの方法。1回の量は減らしながら、食事の回数を増やすことで胃腸の負担を減らすことができます。
今まで以上に丹念なケアで健康チェックを
年齢を重ねると体の不調が出やすくなります。若いころはすぐに治ったケガや病気が年齢とともに治りにくくなるもの。日々のケアを通して、今まで以上に早期発見・早期治療を心がけ、健やかに過ごさせてあげたいものです。
日常のお手入れの時間を増やして、コーミングや耳、目、爪などのケアを丁寧に行いながら、いつもと違った状態でないか気をつけて見てあげることが大切です。触られるのを急に嫌がるようになった場合、ケガや病気が潜んでいる可能性もあります。より入念にチェックしてあげましょう。
また、尿や便は健康の大切なバロメーターになります。量や色合い、回数などを常にチェックして、いつもと様子が違うようであれば早めに獣医師に相談しましょう。
日常の中で気をつけたいこと
シニアになると、頑固になることが多いのは人間も犬も同じ。若いころであればわがままはしつけることで直せたかもしれませんが、年齢を重ねた犬にとっては単なる反抗やわがままではなく、いろいろなことを考えた上でその意思を飼い主に伝えているのかもしれません。そんな愛犬の気持ちを尊重してあげることも大切です。
そして、愛犬が好きなこと、興味を持ったことはどんどんやらせてあげたいもの。好奇心を刺激することは、いつまでも若々しくいることにつながります。愛犬が新しいことを始めたら一緒に楽しんだり、飼い主が愛犬の興味を引きそうなことに誘ってあげたりするのもよいでしょう。とはいえ、年齢的に新しいことに慣れるのに時間がかかる可能性もあります。そんなときもストレスを与えないよう、焦らず気長につきあってあげましょう。
散歩に行っても昔ほど歩けなくなり、食事に時間がかかるようになるなど、若いころとは違った状態になってしまうのは避けられません。でも、長く一緒に過ごしてきた分、お互いの気持ちがより深く分かり合える関係になっているはずです。若いころと同じでなくても、心が通じ合える愛犬と、ゆったり過ごすひとときを大切にしていきたいものです。
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