しつけ

愛猫の爪とぎとの上手なつきあいかた
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クリームパンのような可愛い手から伸びる鋭い爪。狩猟本能を持つ猫にとって攻撃のかなめとなる爪をケアする爪とぎは欠かせないものですが、お気に入りの家具に付けられた爪跡にため息をつきたくなることも。愛猫も飼い主もハッピーでいられる、猫の爪とぎとの上手なつきあいかたをご紹介します。

なぜ、猫は爪とぎを行うの？

猫を飼っている家にしばしばある、家具や内装への爪とぎ跡。ボロボロになった壁紙や、毛玉いっぱいのソファの張地を見ると、思わずため息が漏れてしまうかもしれません。
猫が爪とぎをするのにはいくつかの理由があると考えられます。爪をよい状態に保つためにケアし、新しい爪が生えてきたときには外側の古い爪を落とすため。また、猫の肉球には臭腺があるため、爪とぎをしていろんな場所に自分の匂いを付けることで縄張りを主張する意味合いも。そして、ストレスを感じたときや気分転換のために、爪とぎをしてリラックスすることも。また、飼い主の気を引きたいときには、目の前で爪とぎをすることでアピールしたりもします。
さまざまな理由から行われる爪とぎは、猫にとって欠かせない習慣といえるでしょう。

できれば子猫のうちのしつけを

本来の習性であることから、やめさせることが難しい猫の爪とぎ。ですが、しつけや飼い主の工夫によって、最小限に抑えることができます。
まず子猫のうちに、爪とぎグッズに向かって行うように習慣付けることが大切です。生後2か月くらいから爪とぎを始めますが、猫が爪とぎをしやすい場所を見極めて、その場所に爪とぎグッズを設置しましょう。そして、愛猫の前足を爪とぎグッズにのせて手を添えて動かしながら教えることで、爪とぎ場所をおぼえてもらうようにできます。また、飼い主自身が自分の指先で爪とぎグッズをバリバリと引っかく姿を見せることで、真似てくれることもあります。
最初は上手にできなかったり、場所をおぼえてくれなかったりもしますが、何度かくり返すことでおぼえると同時に、肉球から出てくる匂いが爪とぎに付いて習慣化しやすくなるので、根気よく教えましょう。
もしも、してはいけない場所で爪とぎをしようとしていたら、その場所にすぐに爪とぎグッズを当てるか、爪とぎグッズのある場所に抱いて連れていくのがおすすめです。

爪切りを習慣化して爪とぎを減らす

爪が長く伸びてくると爪とぎをしたくなるため、爪をこまめに切ることで爪とぎの機会を減らすことができます。爪切りは、子猫の場合は10日に1回、成猫の場合は2〜3週間に1回が目安。爪の伸びる速さは個体差があるので、様子を見ながら、伸びてきたと思ったら早めに切るようにしましょう。
爪切りをする際に気をつけたいのは、手足を強く握らないことと、爪の先だけを少しだけ切るようにして血の通っているピンクの部分を切らないようにすること。
そして、愛猫が嫌がるそぶりを見せたらすぐにやめること。そうしないと爪切りが嫌なものと記憶され、ハサミを出しただけで逃げてしまうなど爪切りができなくなってしまいかねません。1日指1本分だけでも、切ることができたらよしとしましょう。また、おやつなどで気をそらして切るという方法もあります。
どうしても嫌がる場合は、自宅で切ることにこだわりすぎず、動物病院で切ってもらうという方法もあります。

爪とぎに困ったときの対処法

それでも、してほしくない場所で爪とぎをしてしまう場合の対処法について考えていきましょう。

爪とぎをしてはいけない場所でしているときには、ほめるときとは違うトーンの声で静かに「ダメ」と伝えます。このとき、たたくなど体罰などは行わないこと。体罰を行うと飼い主を怖がるなど信頼関係がなくなってしまいかねません。

また、爪とぎは爪がひっかかりやすい場所で行うことが多いです。そのため、その場所につるつるとしたものを当てたり、逆にベタベタしたテープを貼るなどしてみましょう。また、爪とぎグッズが置いてある定位置に、猫の好きなまたたびなどで誘導するのもおすすめです。どうしてもそこで爪とぎをしたがる場合は、せめて家具などを傷つけないようにそこに爪とぎグッズを設置しましょう。

愛猫の好みに合った爪とぎグッズを見つけることも大切です。さまざまな種類があるので、いくつか試してみて、愛猫の好みに合うものを見つけるとよいかもしれません。

決まった場所で上手に爪とぎができたら、ほめたりおやつをあげるようにしましょう。そうすれば、正しい場所で爪とぎをするとうれしいことが起こると記憶され、習慣化しやすくなります。

愛猫にとって必須となる爪とぎを上手にできる環境を整えることで、猫も飼い主も心地よく過ごせます。