知識

しぐさで読み取る、猫のきもち
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愛猫が考えていること、伝えようとしていることを知る方法の一つが、しぐさを読み解くこと。いつも目にしているいろいろなしぐさには、実は愛猫の気持ちがちりばめられています。印象的なしぐさを読み解き、愛猫の気持ちに寄り添いましょう。

 

豊かな感情表現が込められているしっぽ

ピンと立っていたり、垂れ下がっていたり。猫のチャームポイントの一つであるしっぽには、実は猫の気持ちがよく表れているものです。
ピンと立っているのは、喜んでいるとき。楽しみにしていた食事に向かうときや、帰宅した飼い主を迎えるときに見せてくれることが多いかもしれません。
ゆっくりと振っているのは、リラックスして上機嫌なとき。自分のテリトリーである家の中に信頼できる飼い主と一緒にいて、安心しきっているときに見られそうです。室内をゆっくりと歩きまわっていたり、ソファやベッドで寛いでいたりするときもしっぽがゆらゆらしているかも。
素早くブンブンと振っているのは、機嫌が悪く怒っているとき。イライラしているため、へたに構うと引っかかれるかもしれません。
しっぽが大きく膨らんでいるのは、怖さを感じているとき。叱られた後や、思わぬ来客、雷など大きな音に驚いたときに見られるかもしれません。
後ろ足の間に巻き込んでいるのも、怖いと感じているサイン。体を小さくして防御のスタイルを取っていると考えられます。好ましくない周囲の変化や、掃除機や洗濯機などからの音を恐れてストレスに感じている可能性があります。

細めた目は親愛のしるし

飼い主に対して目を細めるようなしぐさは、あなたが好きというサインです。そもそもは母猫が子猫に対して見せるものとされますが、飼い主に対して愛情表現を表すしぐさのひとつにもなっているようです。
反対に、目を大きく見開いているのは、恐怖や不安を感じているサイン。引っ越しなどで生活環境が変わったときや、知らない人が訪問してきたときなどに見られるかもしれません。
目と言えば、人間同士や犬が相手の場合、アイコンタクトは親愛の気持ちを伝える手段のひとつですが、相手が猫の場合はNG。猫の世界では、目を合わせることは威嚇を意味すること。愛猫から目を合わせることはほぼないでしょうが、飼い主といえども目を合わることは避けましょう。

ふみふみは飼い主へ甘える気持ちから

お気に入りのクッションや飼い主の服などに、無心になって踏み踏みをしてくることがあります。これは甘えたいときのしぐさの代表格。もともとは、子猫が母乳を飲むときにミルクの出がよくなるように母猫に対して行っていたものです。それを大人になっても行っているのは、子猫の気分で飼い主に甘えたい気持ちの表れかもしれません。

うれしい気持ちのときも甘噛み

ガブガブと噛まれると猫が怒っていると思いがちですが、必ずしもそうではありません。飼い主に構ってほしかったり遊びに誘ったりしているときなど、ポジティブな気持ちのときにも甘噛みをします。とはいえ、怒っているときに甘噛みする場合もあるので、前後の態度や他のしぐさからも猫の気持ちを読み取る必要があるかもしれません。

不安なときは毛づくろいでしてリラックス

暇さえあれば毛づくろいしているように見えるほど、身だしなみを大切にしている猫。でも実は身だしなみを整えるだけでなく、リラックスしたい気分のときにも毛づくろいをしています。子猫のときに母猫に毛づくろいしてもらった記憶から、ストレスを感じたり嫌なことがあったりしたときには毛づくろいをしてリラックスする習慣があります。そして実際、毛づくろいをすると脳から脳内物質セロトニンが分泌されリラックスが促されるそう。
何かに不安を感じたときなどはとくに熱心に毛づくろいをするため、猫がストレスを感じる事柄を知るための手がかりにもなりそうです。