ペットフードの保存のしかた53
気温や湿度が上がってくると、ペットフードが悪くならないか気になるかたも多いのではないでしょうか。大切なペットのために吟味したフード類は、きちんと管理を行い最良の状態で食べさせたいもの。今回は、ウェットフード、ドライフード、おやつの適切な保存方法についてご紹介します。
ペットフードは傷みやすい?
開封後のウェットフードには気を配っていても、ドライフードはあまり気にせず置きっぱなしというかたもいるかもしれません。
そもそも、ドライフードもウェットフードもおやつも、適切な環境で保管される前提で作られており、保管方法に問題があると変質してしまいかねません。とくに、開封した後のウェットフードは腐敗しやすいため注意が必要です。それだけでなく、一見すると扱いやすそうなドライフードの場合も虫が付いてしまったり、酸化して変質してしまったり、湿気でカビが生えたりする可能性があり気が抜けません。
ウェットフード、ドライフード、おやつにはそれぞれ適した保存法があるのです。
開封したウェットフードは密封して冷蔵庫へ
ペットフードの中でも、水分含有量が75%程度のものをウェットフードとよびます。缶やレトルトパウチなどに入って販売されています。それだけ水分量が多いため、フードの中でもとくに腐りやすいタイプといえます。
フードボウルに取り分けて余った分については、保存容器に入れるなどして食品用ラップできちんと包み、冷蔵庫で保管をしましょう。基本的に2日以内に食べきるようにします。冷蔵庫で保管していたウェットフードを次にだすときには、必ず匂いを嗅いで確認し、異臭を感じたら傷んでいる可能性があるので廃棄したほうがよいでしょう。
なお、冷蔵庫に入れておいた冷たいウェットフードをそのままだすとあまり食が進まない場合もあります。そうしたときは、湯せんして人肌くらいの温度(36~37℃程度)に温めてからだすと喜んで食べてくれるかもしれません。
ドライフードは虫よけとカビよけを欠かさずに
ドライフードは水分含有量が10%以下と少ないので腐りにくく、長期保存に適しています。保存の際は、しっかりと口を閉めて冷暗所に置くことが基本です。
ですがうっかりするとドライフードの匂いに引き寄せられて、わずかな隙間から小さな虫が入り込むことがあります。そのうえ、虫がフードの色と似ている場合など気がつかずに一緒にペットに食べさせてしまう危険もあります。
冷蔵庫で保管を考えるかたもいますが、給餌のたびに冷蔵庫から出し入れすることで温度変化による結露が生じフードにカビが生えたり、品質が変化したりしかねません。
また、温度の高い場所に置いたり、空気に多く触れる状態だったりすると酸化してしまい、風味が悪くなるのはもちろん品質が落ちる心配もあります。
こうしたことをふまえて、ドライフードは空気に触れず虫が入り込まないようにきっちりと密封をし、日当たりのない涼しい冷暗所で保管するようにしましょう。そして、フードのカスやホコリなどを放置せず、置き場所を常に清潔にしておくことでよい状態を保ちましょう。
おやつはチャック付きの袋に密閉を
ガムやスナックなどのおやつは、ペットが小柄な場合など少しずつしか食べないため、なかなか減らない場合もあるでしょう。きちんと管理することで品質が落ちないように注意したいものです。水分量の多いものはウェットフードと同様に、水分量の少ないものはドライフードと同様に扱うとよいでしょう。ペットの気を引くように匂いの強いものも多いため、虫を呼ばないようにしっかりと密閉し、長い時間出しっぱなしにせずに早めに保管場所にしまうようにしましょう。
もっとも大切なことは賞味期限を守ること
愛玩動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)では、ペットフードやおやつに賞味期限などを表示することが定められています。賞味期限とは、「製品ごとに定められた方法で保存した場合、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限」を指します。
ペットフード安全法により、賞味期限は科学的、合理的根拠に基づき設定することが定められています。「栄養価や風味を保証できる期限」なので、その期限内に食べきれるように管理しましょう。
ペットたちにとって待ち遠しいごはんやおやつの時間。健康を守るためにも、ペットフードの保管には気を配りましょう。
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