知識

きちんと考えたい|ペットの避妊と去勢について
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室内での1頭飼い、多頭飼いでも同性同士の場合、自然な繁殖の可能性はないので避妊や去勢はしなくても大丈夫?それでも避妊や去勢をする理由はある?しないとどうなるの?そんな疑問にお答えします!

 

避妊や去勢をするメリットは「病気」と「ストレス」の回避。

ワンちゃんも猫ちゃんも発情期・性成熟を迎えると、本能的行動や生理現象が見られるようになります。メスの猫ちゃんは独特の大きな鳴き声を発し、メスのワンちゃんは陰部から出血する発情出血(生理・ヒート)が年に2回あります。オスはメスの発情に反応し、尿によるマーキングやスプレー、マウンティングなどが活発になり、時には脱走したり、攻撃的になりやすいためオス同士でケンカになることも。
避妊・去勢手術は不必要な交配・妊娠を避けられるだけでなく、こうしたペット自身にとっても、飼い主にとってもストレスとなる行動を抑えることができると言われています。
またホルモンに関連して起こる病気の予防や発症率の低下も、避妊・去勢に付随する大きなメリットです。
予防や発症低下が期待できる病気の一例として、オスでは精巣腫瘍、肛門周囲腺腫、精巣腺腫、前立腺の病気、陰影ヘルニアなど。メスでは子宮蓄膿症、乳腺腺腫、乳がん、卵巣嚢腫などの卵巣疾患などがあります。中でも乳腺腺腫はほとんどの場合が悪性で、命にもかかわる病気ですが、避妊手術を行うことで高確率で予防できるとされています。
こうした様々なリスクの減少もあって、避妊・去勢をしたワンちゃん・猫ちゃんは、していないワンちゃん・猫ちゃんよりも統計的に長生きするともいわれているのです。

デメリットも理解したうえでかかりつけの獣医師に相談を。

メリットの方が圧倒的に多いと言われるペットの避妊・去勢ですが、全身麻酔や手術のリスクはゼロではありません。またごくまれに尿失禁症になることがあります。
術後はホルモンの影響や発情行動でのエネルギー消費がなくなることなどから、オス・メスに関わらず太りやすくなる傾向が見られます。肥満はペットの健康を害する原因ともなりますので、飼い主は愛犬・愛猫の様子をよく観察しながら、必要に応じて食事量を控え、低カロリーフードを選ぶなどよりいっそうの健康管理に努めてあげましょう。

避妊・去勢って実際どんなことを行うの?手術に適したタイミングはある?

去勢・避妊手術は一般的に全身麻酔をかけて、精巣・卵巣(子宮)を摘出する手術です。オスの場合は精巣付近の皮膚を切開し、メスの場合は開腹で行われます。術後は完全に回復するまでに通常1〜2週間ほどかかりますので、飼い主が愛犬・愛猫をしっかり見守れるタイミングを選んで行うことも大切です。

種差や個体差はありますが、ワンちゃんも猫ちゃんも生後6カ月〜10カ月で繁殖行動が可能になります。避妊・去勢の手術は、ワンちゃんや猫ちゃんが最初の発情(性成熟)を迎える前に行うと、高い確率で乳腺腫瘍の予防になるといわれています。またオスの場合は本能的行動が表れる前に去勢をすることで、猫ちゃんならスプレー、ワンちゃんならマーキングなどの癖がつきにくいというメリットもあります。
このような観点から、手術のタイミングは生後6カ月〜8カ月頃が推奨されています。成犬・成猫でも手術は可能ですが、高齢になると身体への負担が懸念されます。また生理中の手術は基本的に行われません。愛犬・愛猫の手術を考えているのであれば、できるだけ早期にかかりつけ獣医師に相談してみましょう。

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